アメリカ三面記事便り
アメリカで売れている離婚対策本「Betrayal of the Child」

アメリカでは珍しい、結婚生活の終わらせ方

歯科医のクララ・ハリス(45)が同じ歯科医の夫(44)を轢き殺したのは、二人が10年前に結婚式を挙げたホテルの駐車場だった。夫の連れ娘(17)を後部座席に乗せたまま、1.8トンのベンツをぐるぐる旋回させて、3回轢いたという。

この事件は、犯行が夫とその浮気相手の密会現場に、妻のクララが乗り込んだ直後に行われたこと、彼女がいかに精神的に追い詰められていたか、弁護側から次々に明らかにされたことで、ワイドショーの格好のネタになっていた。

夫の浮気相手は、二人が経営していた歯科医院の受付担当だった。夫は妻と愛人を比較し、
【クララ】
・太りすぎ
・会話がつまらない
・仕事中毒

【愛 人】
・手と足と目が妻より魅力的
・小柄なのがよい
・一晩中抱いて寝られる

などとメモに書いた。(このメモは、証拠として法廷に提出された)

もっと胸が大きくて、家にずっといる女になったら愛するから。そう言われたクララは、仕事を辞め、食事には夫の好物を作り、シェイプアップの個人教授についた。さらに、日焼けサロンに行き、脂肪吸引と豊胸手術の予約をした。

しかし、浮気を止めると言った1週間後に、夫は妻のクララと結婚式を挙げたホテルで、愛人と密会していたのだった。

そんな男と、どうしてさっさと離婚しなかったのか。全財産を取って、さらに毎月慰謝料を貰って、いくらでも新しい生活を始めることが出来たはずなのに。誰もがこう思ったが、クララが我に返ったのは、連れ娘の悲鳴を聞いた時だった。

無罪になるのでは、という予想を覆して、判決は有罪で20年。殺人という形で結婚生活を終わらせたクララに、あまり同情は集まらなかったようだ。

参考)
クララ・ハリスの裁判の模様を伝える記事(CNN)

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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