アメリカ三面記事便り
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アメリカンヒーロー&(ダーティー)ヒロイン

感動のアメリカンヒーロー:クリストファー・リーブ
電動車椅子で颯爽と登場して国連で表情豊かにスピーチし、息子が制作したドキュメンタリーフィルムが放映されるなど、クリストファー・リーブの活動が大きくクローズアップされた。
7年前43歳のときに落馬事故で頚椎を損傷した彼も今年の9月25日で50歳。厳しいリハビリで、不随のはずの下半身の皮膚感覚が蘇り、左指や右手首を動かすことができるようになるなど、医学的には解明できない奇跡的な回復ぶりを見せているという。 人工呼吸器につながれることを余儀なくされた事故当時は、延命を拒否することさえ考え、妻のダナがあと2年頑張ってみて、だめだったらそのことを考えようと説得したという。

ダーティーヒロイン:モンスターマム
そんなエピソードの感動も、「モンスター・マム」の衝撃の映像に吹き飛んだ。
ショッピングセンターの駐車場で子供をぽかぽか殴っている(ように見える)母親が防犯カメラに撮影されたのだ。テレビでは「ぽかぽか」の場面を繰り返し放映し、大衆紙の一面には大きな顔写真がでかでかと載った。いささかやりすぎじゃないかとうんざりしていた頃に、観念した本人がインタビューに出てきて、泣きながら「私はモンスターじゃない」と訴える。
これが火に油を注いだようで、本人が罪を認めないと非難批判の大合唱。小さな子供を持つ母親達は、子供が騒いでもこれからはうっかり叱ったりできなくなりそうだ。

反応は微妙で複雑!?:ロージー・オドネル
がんばっている人は徹底的に讃え、モラルに反する行為には容赦ない、そんな両極端の反応の中間にいるのがロージー・オドネルだろうか。歌に芝居にと多芸多才。いかにもアメリカ人のオバチャンという感じの貫禄でトーク番組を仕切って大人気だったのに、レズビアンであることを告白して、番組からも降りてしまった。
「ショーを持っていると、ずっと『いい人』でいなくてはならないから」と。そして今度は自分自身の雑誌「ロージー」の出版社との提携を打ち切ることにするという。出版社が自分の意見をきちんと載せないからというのがその理由だ。

アメリカの社会でスタンダードから突出するということは、かくもオオゴトなんだなということが、改めてわかった気がする。ゲイがコミュニティを作って暮らすニューヨークにいると、レズビアンなんて特別でも何でもないことに思えてくるけれど、特別だからこそ彼ら(彼女ら)は集まって暮らすのかもしれない。

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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