6日目 予定外のカンヌに到着
この日はマルセイユに昼過ぎについて夕方出発の予定だった。ぎりぎりブイヤベースを食べに出られるかどうか、ハーブやワインを買いにマーケットにも行きたいし、忙しい日だと思っていた。それがまたもや悪天候で寄港地は変更され、着いたところはカンヌだった。
マルセイユ発着の人たちはとんだ災難
夜明け前から甲板でジョギング。遠くにヨーロッパの山並みが見えた
マルセイユにはもう2回も行ったことがあったし、初めて行くカンヌには10時から19時までと長く滞在するというので私たちは喜んだけれどもね。このクルーズではマルセイユで乗船、下船するお客さんも大勢いるのだ。突然船が200キロくらいも離れたカンヌに停まることになったなんて、びっくりしただろうなあ。
それにマルセイユで今日から乗船するはずだったお客さんはどうしたんだろう! 大荷物を持ってワクワクしながらタクシーで港に着いたらそこには船が無い…なんて。船会社の方でマルセイユ往復のシャトルバスを出すということだったけれども、その経費やカスタマーサービス対応も大変だろう。
2回も寄港地が変更になるなんて、この路線は割が合うんだろうか? そして、私たちの下船地バルセロナに、船はちゃんと行ってくれるのかしら…!? と心配になってしまった。
揺れて大騒ぎだったテンダーボート
マルセイユは強風で寄港できないとのことだったけれど、カンヌでも十分に風は強かった。船はカンヌの沖に停泊しテンダーボートで上陸するのだけれども、船に横付けされたボートが揺れる、揺れる。
船のデッキとテンダーボートの入り口の間は、開いたり閉じたり、上がったり下がったり。テンダーボートに飛び移るときも、波頭が砕ける岸に向かって動き出した時も、乗客はみな興奮状態。ジェットコースターに乗った時みたいに歓声を上げていたよ。
お上品な街並みのカンヌの路地をぶらぶら歩く
カンヌはさすがに南フランスの高級リゾート地なだけあって、港には高そうなクルーザーがずらりと停まり、海岸線に沿ってテーブルクロスをきちんとかけたレストランやきれいなホテルが並んでいる。
Gはここで会社の女性たちのために、なかなか気の利いたバスソルトを買うことができた。ついでにそのアロマグッズのお店の人にランチのおすすめの店を聞いて、教えてくれたお店に行ってみた。
買い物をしたお店で教えてもらったレストランでランチ
以下、Gのランチ評
商店街でちょっとした買い物をして、そのお店で勧めてもらった海沿いのレストランでランチ。けっこう大きな店なのだが人気店らしくほぼ満員。明るい光が入ってくるリゾートランチにはぴったりのお店だ。
生牡蠣(しのはこれが大好き)、豚肉のパテと生野菜サラダ、ポーチド・フィッシュ(アンコウ?)とジャガイモ、白身魚のホワイトソースのシチュー。ワインはプロヴァンスのバンドールの白とロゼをそれぞれハーフボトルでいただく。パテとポーチド・フィッシュが僕にはわりに美味しく感じられた。ホワイトソースのシチューは、プロバンス風とあったので大蒜・トマト・ハーブ系の味を予想して頼んだのだが、違っていた。フランス料理は勝手がわからないのだから落ち着いてよく確かめて頼めばよかった。
その店は左右のテーブルにぴったり他のお客さんがいるほど激混みで、サービスの人たちが流れ作業のように注文を取っていた。コートダジュールなんて二度と来ないかもしれないのに、しっかり予習しておくべきだった。デザートはブルーベリームースケーキ。(以上Gのレストラン評)
垣間見たフランスのお金持ちシニアのシングルライフ
赤い花柄の帯でカンヌにのりこんだ
そのお店にはいかにも南仏で豊かな引退生活を楽しんでいますというシニアな一人客がたくさんいた。ワインをボトルで飲み、ひと皿ふた皿注文するんだけれども、ほとんど手を付けずにじいっと座っている。隣同士でちょっとだけ会話をして、別々に帰っていく。
私たちなんてかっこうの興味の対象で、ちらちら見て、目が合えばにこっと笑うんだけど、私たちはフランス語ができないし、フランス人は英語を話さないので言葉が通じない。私の着物姿に「ナイス」と言ってもらい、Gが頼んだケーキを見て、「大きいねえ」とジェスチャーして一緒に笑う。そんな程度のコミュニケーションしかできなかったので残念だ。
私のお土産はカルフールで買った。リーズナブルだし♪
食事の後はインフォで教えてもらった商店街をぶらぶら歩いて、スーパーマーケットで安いハーブの袋やきれいな色の石鹸やお菓子を買い込む。珍しいパッケージだからいいお土産になるし、ハーブはうちで使うのに重宝だ。お土産は地元のスーパーで買うに限るね!
強風の中急いで船に戻る
遠くに浮かぶスプレンディダ。あそこまで無事帰れるかな??
昼間よりさらに風が強くなってきたので、テンダーボートが止まってしまったら大変と早々に港に戻る。沖には停泊しているスプレンディダが見えた。3000人からのお客さんが乗っているというのだから、テンダーボートだけで送迎をするのは本当に大変だと思う。
慣れたせいか帰りのテンダーボートではそう揺れも感じずに船に戻り、さすがに疲れて夕方から翌朝までぐうぐう寝てしまった。その夜のショーとディナーを逃したのはちょっと残念だけど、体調を維持するためにはこういう夜も必要だ。
目が覚めたらどこに着いているのか、ミステリーツアーのようになってきたクルーズ旅行だけど、今のところは揺れとともに十分に楽しんでいるよ。