たまにしか行かれないクルーズ旅行はとことん楽しみたい! MSCディビーナで行ったアドリア海ーエーゲ海クルーズの旅行記です。


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5日目 イスタンブールを歩き回る

この日の予定
イスタンブールには朝7時半に着いて17時に出発する。この航海中で最も長い停泊時間だ。しかもクルーズポートから観光の中心スルタンアメフトまでは、歩いて20-30分だという。
見どころいっぱいで歩きがいがある街にワクワクする。私たちの関心は、やっぱりマーケットとおいしいランチ。

海からブルーモスクやトプカピ宮殿を眺める

この日ばかりは目覚ましをかけて張り切って早起きをした。海からイスタンブールの沿岸に並ぶブルーモスクやスルタンアフメトが見たかったのだ。

船が港に近づくにつれ、対岸にブルーモスクやスルタンアメフトが現れ、近づいてくる。初めて見るイスタンブールの街には、丸い屋根のモスクがあちこちにあって、独特の雰囲気を作っている。モスクの数は日本のお寺や神社よりよっぽど多いように見えた。トルコの人はそんなにひんぱんにモスクに通うのかな。そんな街を歩いてみたくて、朝食はさっと済ませて、日課のジムにも行かずに船を出た。

乗り降り自由のイヤホンガイド付きの観光バスに乗る

あては無かったけれども、こんなに大きな街ならインフォも地元の旅行会社もたくさんあるでしょうと、船を降りた。予想通りゲートを出たところに2階建ての周遊観光バスの停留所があった。

1時間半でイスタンブールをぐるりと回る、乗り降り自由のバスだ。イヤホンで聞く音声ガイドが付いていて、目の前の場所や建物の歴史や由来を次々に説明してくれる。

そのガイドで、イスタンブールはキリスト教とイスラム教の伝統が交錯する、長く複雑な歴史を持つ街だという事がよくわかった。紀元前からの遺跡が残ったり、1000年以上もの歴史のある建物をまだ使えるのは、建物が石造りだからなのか。

スルタンアメフトからは、きょろきょろ街歩き

イスタンブールの観光の中心地のスルタンアメフトでバスを降りる。周囲を歩き回ってみたものの、モスクや博物館はすごい行列でしり込みしてしまった。それよりも街なかの雑踏に行ってきょろきょろしながら歩いたほうが、きっと楽しいよ。そう思って船の停泊地に戻るガラタ橋を目指して歩き始める。

それにしてもイスタンブールの観光地では、日本語で話しかけてくる客引きが何と多い事か。あまりに日本語が自然なので聞けば、日本に数年滞在していたと言う。しばらく話していると、兄弟がそこでお店をやっているので、もしテーブルクロスが欲しいのなら特別に案内するよと言う。親切なのか商売なのか、よくわからなくて戸惑った。

だから道はAsk Meと書いたブルーのTシャツを着た若い子たちに聞いた。おそろいのT シャツを着て観光地にあちこちにいる。地図を覗きこむ私たちに声をかけてくれて、控えめににこにこしているのがとても感じがよかった。


市が組織している若い学生たちのボランティアグループだそうです

その子たちに、橋に行くにはこの路面電車の線路をずっと辿って行けばいいと教わって、その通り歩いていく。道は金角湾へと続くなだらかな坂になっている。

バザールの雑踏を楽しむ

途中でエジプシャン・バザールというマーケットに立ち寄る。グランバザールが有名だけれども、エジプシャン・バザールもなかなかの規模で、観光客や地元の人でごった返している。中心のドームの中は、スパイスやお菓子、アクセサリーなどのお土産物屋が並び、外に出たところで肉や魚やチーズといった食料品を売っている。

家で使うスパイスも、パスタ用のカラスミも、会社へのお土産用のお菓子も、みんなここで買った。どうぞどうぞとたくさん味見させてくれるので、お腹がいっぱいになってしまった。

イスタンブールの二重橋を渡る

ここから橋はすぐそこで、橋が架かっている金角湾の向こうには、私たちの船ディビーナが泊まっている。橋は上が車道、下が歩道と線路の二重構造になっていて、歩道の内側にはレストランがずらりと並んでいる。湾にかかる橋のレストランで、下を通る船を眺めながら食事するのもよさそうだった。

でもGが昼食を食べようと目指すのは、スパイス屋のおじさんが教えてくれた橋向こうのシーフードレストランだ。地元の人のおすすめの店を、Gが逃すわけがない。お昼すぎてかなり気温が高い中、途中で休むこともせずにそのお店を目指した。

ランチはスパイス屋のおじさん推薦のお店で

そのお店オリンピアは、海峡沿いにレストランが並ぶ中の一軒で、他のお店と同じように道路に向かって日よけが出ているオープンエアの店だった。

奥にショーケースがあって、前菜は好きなものを選べと言う。美味しそうなものばかりで、5皿も頼んでしまった!

テレビで見て、おいしそうだなーと思っていた鯖サンドも注文する。日本人は皆これを目当てにするらしく、屋台の前を通ると必ず「サバサンド〜」と声をかけられた。

鯖サンドもよかったけど、一番はお店のおじさんのおすすめのイカのフライだった。身は柔らかくて衣はカリッと上がり、塩加減も絶品だった。

このレストランでは最初は道路際に席を取ったけれども、あまりに暑いので建物の中に席を変えてもらった。イスタンブールは蒸し暑くて、日向に近い所にいるとじっとりと汗ばんでくる。

それでも冷房無しで何とか過ごせるのは、海峡から吹いてくる風があるからだ。街なかでは、長袖のワイシャツを着てびちっとネクタイを締めている、ビジネスマン風の人たちを何人も見かけた。

東京ではこうはいかない。お台場やら汐留やらの海ぎわに高層ビルをずらずら並べ建てて、海からの風をさえぎるからだ。東京のあの暑さと湿気は尋常ではない。夏にオリンピックするなら、だんぜんイスタンブールの方がいいんじゃないの?

ついにプール

船に戻ってからは最上階のバーや部屋のベランダでボスポラス海峡の風を感じながら本を読んで過ごす。ほとんど日影が無かったけれども、小さなプールにも飛び込んでみる。せっかくエーゲ海を通ってボスポラス海峡の入り口まで来たんだし、こんなに暑いんだし、もう日焼けなんてどうにでもなれ!

夏のトルコの強烈な日差しが降り注いでいるはずなのに、海水のプールはびっくりするほど冷たい。日差しで火照るのと、冷たいビールやプールで冷やすのを繰り返しながら、海の上の午後は過ぎていった。

海峡を渡る時は、みんなロマンチック気分

夜は9時ごろラ・ミューズに行く。この時間なら子供も少ないし、いても眠くなっておとなしいからね。時差ぼけがきついころには遅い夕食は辛いけれども、日がたって慣れてしまえば、静かにゆっくり食事ができて快適だ。

船は狭い海峡を進むので、パイロットを乗船させて水先案内をしてもらう。速度を落としたディビーナに、パイロットが小さな船から飛び移るんだとレストランのウエイターが教えてくれた。見てみたかったなあ。

船の両脇にトルコの岸が迫ってきれいに見える。船が速度を落としてゆっくり走るので、甲板を吹く風も優しく柔らかい。大勢の人が甲板に出て、景色を眺めながら飲んだり踊ったり抱き合ったり。夏の海の夜風を思い切り楽しんだ。



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