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熊野花火は右舷か左舷か
去年は船から青森ねぶた祭の花火を見た。とっても綺麗だったけどちょっと遠かった。熊野花火は沖に浮かんだ船「台船」から打上がるので、船から見るとさらに迫力だ。
当日は熊野沖に日本の船三船と、わがダイヤモンド・プリンセスと チャーターのMSCスプレンディダの合計5隻が集結。この中で一番お得な値段で乗ってるのよと思えば、位置取りが後方で飛鳥の向こうから上がる花火があっても納得だ。
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パンフレットでバッチリ予習。心配はお天気
去年船からねぶた花火を見たときは、花火の時間割を知らず、豪華なフィナーレを見過ごしてしまった。今年は乗船日に部屋にあった花火のプログラムを見てばっちり予習。熊野でしか見られないという海上自爆の時間も把握して、準備万端だ。
心配なのはお天気だ。前日の清水ではどんよりと曇って富士山は1ミリも見えなかった。熊野沖に向かう当日の朝は、揺れる揺れる。泉の湯が、しぶきを上げて波打っていた。
でも時間が進むにつれてお天気は回復。夕方5時前に偵察に最上階に出た時には、まだまだ高い夕日が眩しいぐらい。紀伊半島の山並みが綺麗に見えた。
最初は右舷を向いていた
熊野沖に停止した船は右舷を陸側に見せている。私たちの部屋は左舷にあるので、これでは花火が反対側だ。
たくさんの人がデッキに集まって、詳しそうな人に聞いている。どうやら去年は右舷側、おととしは左舷側だったそうだ。
大きな双眼鏡を持った男性が「この風向きと潮の流れなら、今日は右舷側ですね。ほら、他の船もみんなそうでしょう?」と決定的な発言。この花火のためにこのクルーズに決めたというご夫婦が「お父さんよかったねえ、冥土の土産にできるね」と喜んでいる。私はがっかりして、そっとその場を離れた。
花火を見るベストポジションは?
右舷側になるのなら、部屋を出て花火を見る場所を探さなくてはならない。甲板ではデッキチェアを確保して、右舷側に並べている人たちがいる。船尾のスポーツコートのあたりに人がまばらな階段を発見。ここなら手すりにもたれて花火鑑賞ができるかな。
「去年みたいに右舷側と左舷側と両方部屋が確保できたらよかったのにね。」「今から右舷側のお部屋の人とお友達になるのはどうかしら?」「エリートラウンジに居座って、テラスから花火を見ようか」。作成会議をするも決め手は出ない。
エリートラウンジは夕方はプラチナ会員以上が入れるカナッペタイムになるけれど、花火が始まる夕方7時には終わってしまう。それにテラスは船尾にあるので花火が真正面というわけではない。
どうしよう、どうしようと言っているうちに。。。
花火開始直前、なんと船が向きを変えた!
あっと気がついた時には船は回り始めていた。7時まであと少しというところで、船は左舷を陸側に向けて停止した。私たちはビュッフェにダッシュ! 部屋のバルコニーのテーブルに乗り切らないぐらいの食料を確保して、椅子を並べる。オードブルや野菜やフルーツをつまみにビールをぐびぐび飲み、たっぷりと花火を鑑賞した。 なんという幸せ。。。
300年以上の歴史があるという熊野の花火は、それはそれはきれいで、すごい迫力だった。花火の写真や動画も撮ったけれど、とても肉眼で見る迫力には及ばない。
圧巻はやっぱり、花火を海に投げ入れるという「海上自爆」だった。しばらくの沈黙の後ドカンときたので、腰が抜けるぐらい驚いた。地上ではカウントダウンをするそうだけど、船の上では聞こえないのだ。
フィナーレの連続の大仕掛けは、私たちの右前に停まっていた、飛鳥IIの向こう側から上がった。「船の向こうに打ち上がる花火」という、船好きにはたまらない貴重なショットがたくさん撮れた。いい位置を取ってくれてありがとう、ダイヤモンド姫。
花火が終わった後、岸にいる人たちが振る携帯のライトも青白くきれいに見えて感動した。次にいらっしゃるかた、最後まで、どうぞお見逃しなく。
そして、盆踊りに突入
もう時間は9時半ぐらいだったけれど花火の興奮冷めやらず、せっかく浴衣も着たので、プールサイドの盆踊り大会に行く。日本各地の盆踊りや、ドラえもん音頭などなど。中心で踊るクルーを見ながら、たくさんの人がデッキいっぱいに広がって輪になって踊っている。
私は小学生の頃に運動会で踊った東京音頭と、宴会で覚えた炭坑節しかできないんだけれど、それだけは張り切って踊りましたとも。
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