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GWチャータークルーズ「高級小型グルメ船ポナン・ロストラル」3日目-混雑と渋滞の釜山
この日は13時から23時半まで釜山に停泊する。これが大衆船での地中海クルーズなら、昼も夜も寄港地で食べるぞ、とレストラン探しに張り切るんだけど。私は中学生の時に3年も韓国に住んでいたのに、辛いものが苦手なのだ。
それに今回は、賞まで取ったグルメの船に乗っているんだから、船での食事を逃すのは惜しい気がする。というわけで、昼食の後に出かけて、夕食までに帰ってくる予定で釜山散策をすることにした。
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渋滞に注意! 釜山のオプショナルツアー
釜山では初めての人はツアーに行き、何度か来たのよという人は自由行動という感じかな。釜山の道路はすごく渋滞するから、盛りだくさんのオプショナルツアーだと食事までたどり着けなくなるんだなんて言っている人もいた。確かに私が以前ボイジャーで来た時も、出港時間に遅れちゃうからと奮発して釜山駅からタクシーに乗ったら、かえって渋滞でハラハラしたんだった。
上の写真は部屋から見えた釜山の埠頭。目の前にステージとインフォのブースがあって、カンカン照りの暑い中、入れ代わり立ち代わりバンドが演奏してくれた。小さな船からは距離も近くてよく見えたけれど、この日の寄港はポナン・ロストラルの250人程度だったので、拍手が小さくてお気の毒でした。
ポートが運営するシャトルバスなら市場の近くに
私たちは買い物には興味がないので、デューティーフリーに連れて行かれるバスに乗るのは気が進まない。誰も寄らないので暇そうにしていたインフォのお姉さんに尋ねると、ポートが運営するシャトルバスがあると言うではないの。1時間20分に1本と多くないけれど、釜山名物のチャガルチ市場のすぐそばのフェニックスホテル前に着いて、周りには他のマーケットもたくさんあるという。
インフォのお姉さんが着ていたチマチョゴリを指さして、こういう服を見るにはどこに行けばいい?と聞いて、韓服の店が並ぶ通りも教えてもらった。船に乗ってる旅行社の人たちはデューティーフリー行きのバスに誘導するけれども、それに逆らって海洋博物館のほうに行く。ちょうど来ていたフェニックスホテル行きに乗り、さて出発だ。
インフォのアジモニと両替のアジモニ
なかなかの渋滞の中、シャトルバスは30分で市場近くに着いた。チャガルチ市場のインフォの人に両替をする場所を聞くと、今日は土曜日だから公共の両替場所はみな休みだと言う。でも自分はもう仕事が終わりだから、帰る道すがら知り合いの両替おばさんの所まで一緒に行って、いいレートで両替してくれるよう、頼んであげるとも。
両替おばさんと言われてもGはよくわかっていなかったけれども、中学生のころソウルに住んでいた私にはすぐピンときた。あの頃のソウルには、バス停や市場の脇に日がな一日椅子に座っているおばちゃん(アジモニ)たちがいた。大きなお札は小銭に、外国紙幣は韓国ウォンに両替して、ちょっとだけ手数料を取るのだ。きっと釜山にもまだそういう人たちがいるのでしょう。そしてそのレートは、どれだけその人と強力なコネクションを持っているかによって変わるのだ。
チャガルチ市場のインフォのアジモニ羅暎愛(ナ・ヤンイ)さんと、旅行客でごったがえしている釜山の通りを歩く。羅さんは「お財布に気を付けてね」と言いながら、人にぶつかることなくすいすいと通り抜ける。すごいテクニックだ。
羅さんの息子さんは10数年前に広島に留学して、それをきっかけに自分も日本語を学び、日本にたくさん友達ができたそうだ。今は旅行案内のボランティアをしているけれども、最近は釜山に来る旅行者は中国人が多い。そういう人たちとの会話は英語になるので苦労しているのよ、なんて話しているうちに羅さんの知り合いの両替おばさんの所に着いた。
羅さんが見守ってくれる中、ほんの5000円程度の両替はすんだ。他と比べていないのでレートの良し悪しはよくわからないけれど、記念に写真を撮らせてもらって、羅さんとも両替おばさんともそこで別れた。
羅さんはチャガルチ市場のインフォに火・木・土に居て、土曜日は午後3時までです。日本人旅行者や特に学生さんは歓迎してくれるそうです。
着物と一緒か、ここだけ空いていたチョゴリのお店街
その後はチャガルチ市場や近くのテドク市場やカントン市場を巡って歩く。どこもとっても混んでいて、人混みが嫌いな私たちはへとへとになる。外国からの旅行者がたくさんいるのにも驚く。円安の日本は今、来日外国人旅行者が増えていると喜んでいるけど、釜山のほうがずっと観光客が多い気がした。
通りに人がいなかったのは、チョゴリが見られると教えてもらった韓服専門店街だけだった。韓国の韓服も、日本の着物と同じく市場縮小の憂き目にあっているのかな? 釜山の通りでのチマチョゴリ率は、私が見た範囲では0%だったしなあ。これが浅草ならもうちょっと着物率は高いでしょう。
シェフまで渋滞に巻き込まれ…
帰りのシャトルバスもかなり大変で、船に戻りたい人がたくさんバス停周辺で待つ中、予定の5時より30分も遅れてやってきた。私たち乗客はのんびり旅行中だったからいいけれども、待つ中には船のクルーも大勢いたのだ。船に着いたのが夕方6時過ぎで、もうすぐに夕食の時間だ。
シャワーをいそいで浴びて着替えてディナーのレストランに行けば、テーブルを仕切っているチーフウェイターがにっこり笑って目配せをする。彼もバス待ち組だったのだ。それも私たちが舞鶴の寿司屋で会ったエグゼクティブ・シェフと一緒に。
「シェフは味付けに間に合ったのかしら?」と私が聞くと、チーフウェイターの目配せがさらに激しくなった。ナイショにしといてってことだと思ったけれども、ディナーの席で面白おかしくみんなに話したのは言うまでもない。でもその夜のディナーも、いつもと変わらずおいしかったです。
写真は出港の時にデッキから眺めた釜山港。橋も海洋博物館もゴージャスにライトアップされて、しかも色が何色にも変化する。去年はこうじゃなかった、ずいぶんきれいになったなんて、他のお客さんも言っていた。クルーズ船誘致に街をあげてがんばっているのかな。すごいねえ。
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