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2018年6月 アマデウス・ブリリアント: リバークルーズ初体験! うっとりドナウ川下り 

リーズナブルなリバークルーズ見つけた!いざ、リバークルーズ船にドナウ川流域の寄港地

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いざ、リバークルーズ船に

埠頭に向かうタクシーの中から、ドナウ川に浮かぶリバークルーズ船が何隻も見えた。あらー、エンピツみたい! リバークルーズ船は幅が12メートルほどで長さは120メートルぐらい。隅田川に浮かぶ屋形船がうんと長くなったような感じだ。

頑丈な造りのオーシャンクルーズ船と違って、浅いところも通るリバークルーズ船は喫水を浅く造る。だから船は美しい流線型というよりは箱みたいなんだなぁ。見慣れればかわいい我が家になるけれどもね。

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埠頭に何隻も並ぶ、ながーい船

パッサウ地図

タクシーの運転手さんに、私たちの船アマデウス・ブリリアントの埠頭の番号を告げ、20分ほどで船の前に到着した。 パッサウにはなんと18ものリバークルーズ船の埠頭があるので、 番号を覚えておくことはとっても大切だ。

同じ埠頭に船が2隻、お箸みたいに並んで停泊することもあった。その場合は手前の船から奥の船へとデッキを渡って乗船する。 隣の船の中は丸見え。違う船のレストランやバーはどんなかしらとつい覗いてしまうのだった。

隣の船のフロントには必ず人がいて、ニコニコしながらも仁王立ちしてるので、中に入ることはできなかった。

フレンチバルコニーでジュリエット気分
  • cabin1
  • cabin2

部屋は15平米(スイートは22平米)と、コンパクトだ。でもシャワーや洗面台などよく工夫されていて、二人ずつ使うには十分だった。

部屋には「フレンチバルコニー」が付いているとあった。リバークルーズ船にはよく「フレンチバルコニー」とか「ジュリエットバルコニー」という記述がある。船に乗るまでは、シェークスピア劇の場面を思い浮かべて、想像をするしかなかったんだけど。

私の部屋の「バルコニー」は、床から天井までの大きな開閉可能の窓だった。身を乗り出すと手すりがある。だからジュリエットなのかな。つまり、そのバルコニーから外に出て、ロメオに会うことはできなかった。

  • フレンチバルコニー
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左:外から見たジュリエット(フレンチ)バルコニー、右:上の方に小さな窓があるシングル用キャビン

この船にはシングル用の小さな窓の部屋もある。シングル割増し率はこの部屋なら15%とリーズナブルだ。「こっちでも良かったわ」とキャビンメイトは言っていた。私は窓が開いて風が感じられるお部屋(AとBタイプ)で、ジュリエット気分になるのがいいなあ。

突然部屋が真っ暗に! 感動のロック(水門/閘門)

rock 水門

船に着いたのは3時過ぎだった。すぐに避難訓練、カクテルパーティ、ディナーと初日は忙しい。でも部屋も船も小さいので、船内探検にも移動にも時間がかからない。避難訓練を終えてシャワーも浴びて、さあこれからカクテルパーティよ!と部屋で着替えを始めた。

すると、まだ6時前だというのに部屋がどんどん暗くなってくるではないか。夏至の頃のドイツだ。日暮れは9時ぐらいのはず。変だなぁと思って窓(じゃなかったジュリエット・バルコニー)の外に目をやると、なんとガラスすれすれに石の壁が迫っていて、それが上へ上へと上がって行く。つまり船がどんどん沈んでいるのだ。

「これがロックだ!」

これが噂に聞いていたロック(閘門)だ。高低差のある川や運河を通る時に、水路の前後に門を作って、水をせき止めて水位を調節。船をエレベーターみたいに上げ下げして高低差をなくして通すのだ。

慌ててデッキに駆け上がると、船がちょっとずつ沈んでいくではないか。川の水位が下がっているのだ。そのうちに、水位が進行方向の川と同じ高さになり、前の水門がガーっと観音開きに開いて、船はしずしずと前進を始めた。

前方で開き始めた水門

ロックを通る時、左右の壁と船の隙間はほとんどない。船のエンジニアたちは甲板を忙しく動き回ったり、水門に上がってトランシーバーで連絡したり、緊張の様子が伝わってきた。

船が動き始めたら、水門に上っていた人は梯子を伝ってよいしょよいしょと降りてきて、やっとこさ船に飛び乗る。どきどきハラハラの瞬間だ。オーシャンクルーズでパイロット(水先案内人)が船に飛び乗るところを見るような気分になれます。

飛び移り損ねた時は海より簡単だと思った。自転車を借りて船を追いかければいいからね。リバークルーズ船は人が走るよりちょっと早く、自転車よりゆっくり進むのでした。

ドキドキのテーブルシーティング

船のダイニング

ラウンジでのカクテルパーティーが終わり、みんなでぞろぞろと1階下のレストランへと行く。 座席は言語別になっていて、 私たち4人は所沢からいらしたご夫婦と一緒の6人テーブルになった。

テーブルは固定制で、朝も昼も夜も同じテーブルに座る。他の高級船では横に長い大きなテーブルにみんなで座るので、社交が大変だと聞いたけれども、「アマデウスはその辺気を使っているんですよ」と、ホテルマネージャーが言っていた。

ポーランドから来たご夫婦は船の前方の二人席だった。とっても英語が上手だったけれども、他の英語テーブルに混ざることはなかった。もちろん希望を言えば席替えしてくれたと思うけれども。

思いっきり日本語でおしゃべりしていいテーブルは気楽で楽しかった。他の言語の人が混ざると気を使うからね。

毎食楽しんだ

お食事はもちろん美味しかったですとも。「すごく小さなキッチンで作ってるんだよ」とテーブル担当のモルジブ人のシャシは言うけれど、毎日その寄港地の名物がメニューにあって楽しめた。ミュンヘンでたらふく食べた白アスパラガスも、レーゲンスブルグでちゃんと出てきた。ウィーンではウィンナーシュニッツェル、ブタペストに到着したらパプリカ料理といった具合だ。

朝のビュッフェには、必ず魚の酢漬けがあった。これが柔らかくて酸味が上品で、とても美味しい。日によってニシンだったりマスだったり。オートミールに乗せて、ちょいとしょう油を垂らして食べるのがおすすめです。(しょう油はソイソースと言えば出してくれます)

昼はサラダバーがあって、好きなだけ取ってもりもり野菜が食べられる。スープやメインディッシュはメニューから選んで持ってきてもらう。サラダバーは途中からデザートバーに変わって、カラフルなケーキやムースが山盛りになって、目移りしてしまう。ついつい食べ過ぎて、午後は川沿いを走ったり、街を歩いたりするのであった。ディナーのためにお腹を減らさなくてはならないからね。

ディナーの時は白ワインと赤ワインが飲み放題になる。もういいと言うまで(言ってもさらに)ドボドボとグラスに注いでくれるのが嬉しい。日替わりのワインを毎日たっぷり楽しんだ。

船酔い知らずのリバークルーズ船

部屋係のお姉さん

私は友達と大勢でクルーズするのが大好きだけれど、誘っても船酔いを心配して来てくれない人もいる。だからこのリバークルーズは偵察の意味もあった。「本当にリバークルーズ船は揺れないのかしら?」と。

答えは「本当」でした。キャビン係のお姉さんにも聞いたけど「リバークルーズ船に勤めて4年になるけれど、船酔いした人は見たことないわ」と笑ってた。

微動だにしないかと言うとそうでもない。例えば他の船とすれ違う時には横波を受けてふわっとする。でも一瞬なので酔うまでにはならない。ゆりかごみたいにゆらゆら揺れるのが好きな私には、正直言って物足りない。

それよりもエンジンルームに近い後方で感じる「ゴゴゴゴ。。。」という振動が少し気になった。聞いてるうちに眠ってしまう程度ではあったけれど。だから船の部屋は後ろに行くほど、下になるほど安いんだなあ。なるほど。

ラウンジで、デッキで。思い思いに過ごす
  • 船長
  • サッカー見ながらガッツポーズ

左:デッキの操舵室の船長  右:ラウンジで日本サッカーチームを応援

ちょうど2018年のロシアワールドカップの期間中だったので、船尾のラウンジのテレビの周りにはサッカーファンが群がっていた。サッカー好きのクルーも時々覗きに来たりして。

時差なしで大勢で試合が見られるなんて、これも旅行の醍醐味だ。 2022年はカタールでワールドカップだから、アラビア湾クルーズに行こうかなあ。

デッキで景色を見物

船にはアメリカ人の絵描きグループや、イスラエル人の歴史勉強会グループがいて、それぞれ集まって絵を書いたりお互いレクチャーをしたりしていた。 デッキに上がれば、パラソルの下に椅子が並び、毛布にくるまってぼけっと景色を眺めることができる。

船の中のイベントの時間は少なく、ショーは一週間のクルーズで2晩だった。服装もみんなカジュアルで、船長主催のパーティーの時には少しふわっとした服を着るぐらい。忙しい思いをしたり、気が張るようなことは全くなかった。

リバークルーズ船上には、オーシャンクルーズとはまた違う、ゆったりした時間が流れていた。

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このサイトの作者:しの

翻訳系リサーチャー。夫のGはへろへろサラリーマン。 たまにしか行かれないクルーズ旅行も、30回を越えました。 このサイトについて

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