持田教授のホームページのウェブマスターでございます。 この度、ひょんなことからアメリカに住むことになりました。 テレビに雑誌にiモード…。情報におぼれていた私にとって 今何が話題なのかわからなくなることが一番耐えがたい。そこで持田教授のご指導のもと アメリカの世相ウオッチングに挑戦します。
September11 2周年 朝起きて窓から見るニューヨークの街の表情は、いつもと同じに見えた。去年を思い出して、私は窓から見える範囲で掲げられた国旗を探してみる。 「ない…」 去年はあちこちの建物の上に半旗があったのに、今年は国旗すら殆ど見つけられなかった。少なくとも半旗になっているものは、窓から見える範囲では無かった。 テレビや新聞は、去年は8月の半ばくらいからSeptember11一色になっていたけれど、今年は9月に入って、犠牲者の家族達のその後やワールドトレードセンター跡地の活用法がクローズアップされる程度だった。成長した子供達の様子や、配偶者の再婚のニュースは、悲壮感一色だった去年の報道に比べれば、だいぶトーンが明るくなっている。 半世紀以上たった今でも、原爆記念日や終戦記念日の報道が毎年同じようにあるのに慣れている日本人の私にとっては、2年目のSeptember11はあっさりしすぎてる気がしないでもなかったけれど。 「阪神の優勝がSeptmber11と重ならないでほしい」という、NYの阪神ファンの言葉は、とても日本人らしいものに私には感じられた。いつもと同じように「飲みに行かない?」とアメリカ人の友人は気軽に誘ってくれ、特にSeptember11の話題が出るわけでも無い。もっともそれは、私が当時はNYにいず、関係者も犠牲にならなかった外国人だからかもしれない。 1周年の時は異様に戦意高揚のトーンが盛り上がり、口を挟む事は犠牲者を冒涜する事といった感じだった。そんな雰囲気が無くなったのは、歓迎すべきなのかもしれない。去年はテロへの恐怖心を煽って、国連で孤立してまでイラクと開戦し、結局さらに世界各地でテロを招くような結果になっているのだから。 家に帰ってテレビをつければ、ニュース番組以外は特番も無く、バラエティーショーは明るく恋愛ゲームや整形手術の成功物語を放映していた。来年の3周年もそれ以降も、この調子で迎える方がいいのかもしれない、と私は思った。
今までの「アメリカ三面記事便り」